概要

ここでは、共創者ルールブックに記載しきれなかったルールの補足などを行います。
全てを把握しようとすると情報量が多いですので、はじめてPLでゲームを遊ぶ時にはいきなり目を通す必要はありません。

GMを行いたい人や、ゲームに慣れてきた人のための章となります。

世界観

・物語の舞台は、日本のどこかにある仮想都市「神椿市」。
・神椿市では、『Q』と呼ばれる怪異的事件が多発している。
・『Q』を解決できる異能力をもった「共創者」が物語の主役。


物語の舞台となるのは、我々の住む現実世界とは別の歴史を辿った、
2025年(平成37年)の日本のどこかに存在する、閉鎖系テラリウム都市「神椿市」です。
過去には災害の影響で崩壊状態にあったこの街は、今では順調に復興を遂げつつあります。

しかし神椿市では近年、『Q』と呼ばれる怪奇的事件が多発しています。
  • テセラクターと『Q』
    「人が神隠しにあう」「夜な夜な誰もいない空間から声が聞こえる」「急に人が変わったように狂った人が事件を起こす」「自然災害がまるで意志を持っているかのように連続で起こる」……そんな、神椿市で起きている怪奇的な事件の総称を『Q』といいます。

    ほとんどの市民は知る由もありませんが、これらの『Q』を引き起こしているのは「テセラクター」という人ならざる怪物です。
    テセラクターは物理法則すら歪める超常の存在であり、通常の人間は太刀打ちできません。彼らと対抗できるのは、同じく超常の力を持つものだけです。
  • 共創者と『A』
    このゲームにおけるプレイヤーキャラクター「共創者」は、特別な力を持った少女と出会い、彼女たちと<盟約>を結んだことで、『A』という魔法の力を使えるようになります。
    今のところ、テセラクターの『Q』の力に対抗できるのは、この『A』の力だけです。
  • 神椿市共創課
    共創者たちは皆、「神椿市共創課」と呼ばれる公的機関のスカウトを受けており、表向きは日常生活を送りつつ、裏では『Q』を解決するエージェントとして活動しています。
その他、神椿市という街やこの世界に関する詳しい設定は、
CITYGUIDE」や「内部機密情報」の項目を参照してください。

描かれる物語

このゲームにおける物語の基本構造は「共創者たちが、神椿市で起きている『Q』を解決する」というものです。

共創課から任務を受けて、あるいは偶然事件に巻き込まれて。
共創者たちはテセラクターが巻き起こす怪異的事件と対峙し、『Q』の脅威に立ち向かうことになります。
そうした事件を通じて、様々な人と出会ったり、彼らの想いに触れたりしながら、街の平和を守るために奔走し、神椿市の中で物語を紡いでいくことがこのゲームの目的です。

セッションの事前準備

・遊ぶシナリオを決め、一緒に遊ぶ相手を集めよう。
・何人で遊ぶかは、シナリオによって変わる。
・GMが開示した事前情報を元に、共創者は【セットリスト】を準備する。

シナリオを準備する

『神椿市建設中。NARRATIVE』を遊ぶには、物語の筋書き=シナリオが必要です。
シナリオには通常、神椿市で起きている事件の内容や、参加できる共創者の条件、そしてどうすれば事件が解決するのかが書かれています。
遊びたいシナリオを決めたら、GMは内容を確認します。

参加者を募る

プレイ時間や参加人数は、シナリオによって異なります。
シナリオに定められた条件に従って、一緒に遊ぶ相手を募りましょう。
お友達を誘うのはもちろん、NARRATIVE CCに数多く存在する交流ルーム(ランドマーク)や、SNS、公式Discordサーバーなどを利用し、遊ぶ相手を探してもよいでしょう。

シナリオ事前情報の開示

シナリオ事前情報には、物語のあらすじ(イントロダクション)の他、参加条件や必要な情報が書かれています。
GMは参加するプレイヤーに対し、これから遊ぶのはどんな物語なのか、事前情報を開示しましょう。
あらすじ以外の項目としては、以下のようなものが設定されます。
  • PL人数
    シナリオに参加できる共創者の人数です。
  • プレイ時間
    そのシナリオを遊ぶための所要時間の目安です。
    参加者や遊び方、展開により大きく変わる場合があります。
  • 予想される『Q』
    そのシナリオに登場するテセラクターが保有している『Q』の数の目安(予測値)や傾向です。
    必ずしも正確な数とは限りませんが、どの程度の脅威が潜んでいるかの目安になるでしょう。
  • 存在値
    【存在値】が大きく減少する可能性があるシナリオでは、参加する共創者の現在の【存在値】の制限が書かれている場合があります。
  • レギュレーション
    どのルールを採用するか、あるいはしないのかという基準です。
    「神椿市建設中。NARRATIVE」の世界では、メインストーリーの進行と共にルールが開放されています。
    どの時間軸で遊ぶかによって、複数の遊び方をすることが可能です。

    ・通常プレイ
    ルールブックに記載されているすべてのルールを採用して遊ぶ方法です。

    ・クロニクル・プレイ
    シナリオを「過去の出来事」として遊ぶ方法です。
    クロニクル・プレイでは、共創者たちは「出会いの物語」に隠された真相に気付いておらず、物語的同位体の存在を認知していません。
    ルールブックに記載されている内容のうち、「存在解放」および「同位体効果」を使用せずに遊びます。

    ・カスタム・プレイ
    シナリオ制作者やGMは、あらかじめPLに知らせることで、個別のルール採用可否を設定することができます。
    その場合、シナリオ情報に「レギュレーション」として記載し、参加する前に確認できるようにしておくとよいでしょう。
その他、シナリオ独自の注意事項などが設定されている場合があります。

共創者の準備

PLはシナリオ事前情報を確認したら、セッションまでに自分の共創者の準備を整えましょう。
  • セットリスト
    セッションに持って行く『A』を入れ替えることが可能です。
    セッション中のセットリストの変更はできません。

    事前情報を元に、所有している『A』の中から今回使用するものを選びましょう。
  • 施設の利用
    NARRATIVE CC内の施設には様々な種類があり、【存在値】の回復ができる施設もあります。

    【存在値】が参加条件を満たしていない場合も、回復をすれば参加が可能になるでしょう。
    その他、共創者が持つ一部のデータは施設を利用して変更することができます。
ここまで準備が終われば、あとはセッション本編を楽しむだけです!
GMはシナリオの導入部分を読み上げ、共創者たちを物語へいざないましょう。

判定の裁定

・判定を行うかどうかはGMが決定する。
・簡単な行動では、判定をさせなくてOK!
・不可能な行動、してほしくない行動にも判定をさせなくてOK!


判定の基本的なルールは、プレイヤー・マニュアルの「判定」の項目に記載しています。
ここではセッション中、GMがどのようにPLの判定を処理するかを説明します。

どんな時に判定が必要か

共創者の行動が、成功したか否かを決定するのが判定です。
しかし、共創者のあらゆる行動に判定を行わせる必要はありません。


簡単な行動……たとえば「床に落ちているものを拾う」などの、当たり前に自然に行えるような行動にいちいち判定を行う必要はありません。
ロールプレイで済ませてしまってOKです。

逆に、難しすぎる行動や不可能なこと……たとえば「地球を真っ二つにする」なんて行動もまた、判定を行わせる必要はありません。
一言「できません」と伝えるだけでOKです。

判定が必要な行動と、そうでない行動の線引きはどこでしょうか。


結論から言えば、答えは「判定が必要とGMが判断するかどうか」となります。
判定を行わせるかどうかの決定権を持つのはGMです。

ここでは、その指針をいくつか提示します。

ケーススタディ

たとえば「部屋の中を見回して調べたい」というPLの行動宣言に対して、GMには以下のような選択肢があります。

・行動判定はさせず、目に見て分かる範囲の情報を伝える。
・詳しい情報や隠されたものを発見するために【行動判定】を行わせる。
 〈調査〉の技能を持つ共創者には【技能ロール】を認める。
・上記の両方を行う。
・特に何も見つからないと言い、判定させず情報も渡さない。


これらはいずれも妥当な選択肢であり、どれを取るかはケースバイケースです。
  • 指針①:判定を積極的に行わせるケース
    ・物語上の見せ場となるような、重要な行動
    ・その成否が、その後の展開を大きく左右するような行動
    ・シナリオのギミックと密接に結びついているような行動


    こんな場合、積極的に判定を行わせるべきです。
    ケーススタディの場合、部屋の中に大事な情報が隠されており、その情報を得られたかどうかで今後の展開が大きく変わってくる場合には、判定を行わせるとよいでしょう。
  • 指針②:判定を行わせるべきでないケース
    ・物語の展開上、全く重要でない行動
    ・シナリオの都合上、行われると困る行動
    ・シナリオの都合上、失敗されると困る行動


    こういった場合は、判定を行わせる必要がありません。
    ケーススタディの場合、共創者が調べようとしている部屋が事件と全く無関係で、調べても有益な情報が何も得られない時は、判定をさせずに「何も見つかりません」と伝えるだけでOKです。

    また、その部屋の中で見つかる情報がシナリオ進行上必須の場合、判定に失敗されると物語が先に進まなくなってしまいます。
    こういった行動は、判定させずにロールプレイで済ませましょう
  • 指針③:判定を省略してよいケース
    ・PLが行った行動宣言や、ロールプレイの積み重ねで、自然と結果が得られるような場合

    ケーススタディの例で説明します。
    例えば部屋の中を調べる時、その情報が机の引き出しの中に入っているとします。PLが「机の引き出しを開けて中を調べます」といった具体的なロールプレイを行った場合、当然情報は手に入りますから、行動判定は省略し、その情報を渡して構いません。

    他にも、NPCを説得するためには、シナリオ上では判定が必要と記載がある時。
    それまで共創者たちがそのNPCと築いてきた関係や、投げかけた言葉の説得力により、
    自然と説得に成功するだろうとGMが判断した時は、その判定を省略することができます
  • 技能、特技、存在
    PLが、行動判定を【技能ロール】や【特技ロール】、あるいは【存在証明】で行いたいと提案した時、共創者がもつ〈技能〉や《特技》、〘存在〙が判定に役立つかどうかの最終決定も、GMが行います。
    GMは、PLの提案に説得力があった場合、積極的に認めるようにするとよいでしょう。
  • 特に難しい判定
    その行動が「不可能」ではないものの、極めて難しいチャレンジとなる場合、GMは「その行動が成功するためには【マジック】の結果が必要」ということにしても構いません。

マジック(奇跡的成功)とファンブル(危機的失敗)

判定結果のうち、通常の成功・失敗よりも劇的な結果を生むのが「マジック(奇跡的成功)」と「ファンブル(危機的失敗)」です。
  • マジック時の処理
    マジックの結果が出た場合、その行動は普通の成功よりも劇的な「大成功」となります。
    基本的には、行動したキャラクターがよりカッコよく、エレガントに活躍した様を描写するだけで構いません。
    GMの裁量次第で、与える情報を増やしたり、なんらかのボーナスを発生させてもOKです。

    ・ここ一番の大勝負といった、物語上重要な行動
    ・極めて困難な、大きなリスクを伴った挑戦


    もし、上記のような重大な行動判定でマジックの結果が出た場合、行動者はきっと自信をつけることでしょう。
    この時、GMは判定を行った共創者の【存在値】を1回復させることができます。
  • ファンブル時の処理
    ファンブルの結果はただの失敗ではなく、行動が裏目に出て事態が悪化するなどのデメリットが発生する、危機的な失敗となります。
    GMは、状況に応じたペナルティを与えてください。

    ※ここ一番の重要な判定でのファンブルペナルティは、【存在値】を1減少させることとなります。
    ※【存在証明】のファンブルは、失敗時の【存在値】1減少に加え、クライシスに陥ります。(「クライシス」の項目参照)

    ※戦闘中のアクションにおけるファンブル
    ラウンド進行で行われる戦闘中、アクションでファンブルを起こした共創者には大きな隙ができます。
    次のラウンドの自分の行動手番までの間、もし攻撃を受けた場合、受けるダメージは自動的に「受けうるダメージの最大値」となってしまいます。

    例:
    テセラクターの攻撃のダメージが[D12+5]だった場合、受けるダメージは17点です。一気にピンチに陥ってしまいますので注意してください。

アクションサポート

・GMがPLに行動を提案するのが【アクションサポート】。
・【アクションサポート】は共創課のAIが行っている。
・提案には従っても従わなくてもいい。


【アクションサポート】とは、共創課が管理する高性能AIによる共創者支援機能のひとつです。
共創者が任務にあたっている最中、彼らの携帯端末を通じてAIが分析・算出した「問題解決のための行動内容の提案」がされることがあります。

GMはセッション中、PLが行動に迷いそうなタイミングで【アクションサポート】を共創者に提示することができます。(シナリオ中に記載されている場合もあります)
アクションサポートは以下のような書式で記述し、NARRATIVE CCのチャット機能を使ってPLに提示します。

§アクションサポート/AIからの提案内容(技能や特技の名称)

図は、チャットでアクションサポートを提示した場合の例です。
①行動の提案内容
②判定で役に立ちそうな技能や特技(省略可


【アクションサポート】はあくまでも「行動の提案」ですので、従わなくても構いません。
共創者は【アクションサポート】とは別の解決方法を試みたり、
あるいは提示されたものとは別の技能や特技の使用を提案することができます。

行動不能とクライシス

・【HP】や【存在値】が0になると【行動不能】になる。
・共創者全員が【行動不能】になるとセッション終了。
・【クライシス】は存在が揺らいだ危機的状態。

行動不能

【HP】または【存在値】のいずれかが0になったキャラクターは、【行動不能】となります。
【行動不能】になったからといって、そのキャラクターが死亡するわけではありません。酷い負傷で立ち上がれなくなったり、気を失ったり、精神的な負荷に耐えきれず自我を失ってしまったり……そういった状況を表しています。
  • 【HP】0からの復帰方法
    【HP】が0になって【行動不能】となった場合、通常の回復では追いつきません。
    復帰するには、タイプに「復活」とある『A』を使用する必要があります。
  • 共創者の死
    【HP】が0になってもキャラクターが死なないのであれば、このゲームで共創者が死ぬことはないということでしょうか?
    答えはノーです。
    当然のことながら、『Q』の脅威と立ち向かう中で命を落とす可能性は常に存在します。

    共創者が死亡するのは、「シナリオ中に特別に記載されている条件」を満たしたときだけです。

    神椿市共創課は、街を守る要の存在である共創者たちが、死の危険に怯えずに安心して任務にあたれるよう、危険状態にある共創者たちをいち早く察知し、最優先で救出・保護できるような相互扶助体制を築いています。

    また、共創者は【存在値】の最大値が0以下になると完全に自我を失ってしまい、キャラクターとして使用することができなくなります。(NPC化・キャラロスト)
    生命の死とは異なりますが、これも広い意味で共創者の死と言えるでしょう。
  • 全滅
    セッション中、参加している全共創者が【行動不能】となった場合は「全滅」となります。
    事件は未解決なまま、セッションはそこで終了となります。
    詳しくは、「セッションの終了」の項目を参照してください。

クライシス

【クライシス】とは、自分の存在が揺らぎ、自我が曖昧になった、精神の危機的状態を表します。
この状態に陥ると、共創者は自分があるべきカタチを正しく認識できなくなります。

共創者が【クライシス】に陥る条件は以下のとおりです。

・【存在値】が減少し、3点以下になった。
・【存在証明】でファンブルの結果が出たとき。


他にも、『Q』や『A』の効果、シナリオギミックなどで【クライシス】に陥ることがあります。
  • デメリット
    【クライシス】に陥った共創者が行う【存在証明】以外の全ての判定は、マジックの結果が出ないと失敗扱いとなってしまいます。
  • 【クライシス】からの復帰方法
    【クライシス】状態から復帰する方法は以下のとおりです。

    1.【存在証明】を行い、成功する。
    ・失敗すると、さらに【存在値】が減少するので注意しましょう。
    ・ラウンド進行中の場合、アクションを消費します。

    2.【存在値】が4点以上に回復する。
    ・【クライシス】に陥っている者の【存在値】が4点以上の場合は、1点でも回復すると復帰します。

    3.ゆっくりと休息がとれるタイミングで、復帰を試みる行動判定に成功する。
    ・技能〈意思〉〈耐性〉や、特技《フィジカル》《医療》《記憶》《信念》などが役立つでしょう。他にも、自分の〘存在〙と深く紐づいている技能や特技は使用できます。
    ・この行動判定は、他者が試みることもできます。
    ・ラウンド進行中は行えません。

『Q』

・テセラクターが使う能力が『Q』。
・『Q』の効果はテセラクターやシナリオごとに千差万別。
・【Qロール】では、GM用の「Qダイス/D12」を使用する。


テセラクターが使用する『Q』は、共創者が使用する『A』と似たようなデータを持ちますが、その種類や効果は『A』よりも千差万別で荒唐無稽です。
なぜならば、『Q』は用意されたデータ一覧から選ぶのではなく、シナリオやテセラクターごとに好き勝手に設定されているからです。

『Q』の効果に記載されていることは、ありとあらゆるゲームルールよりも優先されます。
これよりも優先されるのは、GM判断のみとなります。

『Q』の発動

『Q』の力を行使する際に、その効果がどの程度発動したか、あるいは命中したかなどの結果を決めるために、【Qロール】という判定を行うことがあります。

【Qロール】を行う場合は、「Qダイス/D12」を使用します。

『Q』の中には、【Qロール】の結果によって効果が異なるものがあります。
  • シンボルと判定結果
    【Qロール】ではQのシンボルが成功扱いになっています。
    したがって、【Qロール】ではファンブルが発生しません。
  • 『Q2』
    一部のテセラクターは、より強力な『Q』である『Q2』を持っていることがあります。

ラウンド進行

・戦闘など、複数人の行動が入り乱れる状況などでは「ラウンド進行」を行う。
・行動順を決めて、ひとり1回ずつアクションを行う。
・『A』には、アクションを消費するものとしないものがある。


ラウンド進行は、テセラクターとの戦闘や、手に汗握るチェイスのシーンなど、短い時間の中で複数人が同時に行動を行う時に使うルールです。

ラウンド

ラウンド進行では、短く区切られた時間の中で、1人ずつ順に行動を処理していきます。
全員が一度ずつ行動(アクション)を行い、手番が一巡するまでを「ラウンド」と呼びます。

ラウンド進行の開始

ラウンド進行開始時には、以下の処理を順に行います。

①シチュエーションと終了条件の提示
②(テセラクターがいる場合)『Q』の提示
③イニシアチブ決定
  • ①シチュエーションと終了条件の提示
    ラウンド進行がどんなシチュエーションで行われるのかと、どんな条件で終了するのかを伝えます。
    終了条件は、PLには「不明」と伝えても構いません。

    終了条件を満たすまで、ラウンドを繰り返すことになります。
  • ②『Q』の提示
    ラウンド進行にテセラクターが参加する場合、そのテセラクターが保有する『Q』を提示します。
    『Q』は「スクリーンパネル」により提示します。
    まだ使用されていない、あるいは効果が明らかになっていない『Q』に関しては、裏向きで提示してください。
  • ③イニシアチブ決定
    ラウンド進行開始時に、参加者の行動する順番を決定します。
    参加者全員がダイスを1個振り、出た数字【イニシアチブ】となります。

    共創者 or NPC → 「プレーンダイス/D6」を振る
    ※ラウンド進行のシチュエーションに合致した技能や特技をもつ場合、「技能ダイス/D8」や「特技ダイス/D10」を振ることもできます。

    テセラクター → 「Qダイス/D12」を振る

    ラウンド中は、【イニシアチブ】が大きい順に行動ができます。
    次ラウンド以降も【イニシアチブ】は引き継がれます。
    同値のキャラクターがいる場合、共創者どうしであれば好きな順で行動できますが、テセラクターは共創者より先に行動します。

アクション

ラウンドが始まり、自分の行動手番を迎えたキャラクターは、1回の「アクション」を行うことができます。

アクションとは、判定1回分の行動のことです。
どの程度の行動が判定1回分と見なすかは、GMが決定します。

アクションを行ったキャラクターは行動済みになります。
  • 『A』を使用する
    ラウンド進行中に『A』を使用する場合、タイプの欄に「アクション」と書いてあるものは、自分の行動手番でアクションを消費して使用します。(使用後は行動済みになります)

    タイプの欄に「アクション」の記載がないものは、それぞれの『A』の効果に従って、任意のタイミングで使用できます。使用後も行動済みにはならず、ラウンド内での使用回数にも制限はありません。
  • 待機/行動放棄
    自分の行動手番になった時、アクションを放棄することや、待機して行動手番を後回しにすることもできます。
    待機する場合、そのラウンドの最後に再び行動手番が回ってきます

    ラウンド進行の終了条件を満たさないまま全員の行動手番が終了した場合、次のラウンドに以降します。

セッションの終了

・解決した『Q』の数に応じて【存在値】が回復する。
・活動報告を提出するまでがセッションです。
・全滅してしまっても、物語は続く。
  • 【存在値】の回復
    そのセッション中、倒したテセラクターが所持していた、あるいは共創者が解決した【Q】の数の合計と同じ値、全共創者の【存在値】が回復します。
    ただし、【存在値】の値が最大値を超えて回復することはありません。

    ※『Q2』について
    『Q2』は『Q』2個分として数えます。
  • 活動報告の提出
    セッションが終わったら、PL・GMともに活動報告を提出しましょう。
    報告書の提出が完了することで、共創課から報酬のfGが支払われます。

    GMとPLは、報告フォームが異なりますので注意してください!
    GMはセッションを遊ぶ上でなくてはならない重要な役割であるため、支給される報酬額がPLよりも多く設定されています。
  • 全滅した場合
    共創者が全員【行動不能】になり、事件が未解決なままセッションが終了してしまった場合でも、シナリオ中に特別な記載がない限りは、共創者たちが死亡することはありません。
    共創課の仲間たちの手により共創者たちは救出され、病院で療養を受け、いずれ活動に復帰できます

    しかし、その苦い経験は心に傷を残すことでしょう。
    そのセッションに参加した共創者たちは、【存在値】の最大値を1減少させなければなりません。

    全滅してしまった場合でも、その旨を活動報告として提出することで報酬は通常通り支払われます。
    もちろん、しっかり療養してから、再度同じ事件に挑んでみてもいいでしょう。

GMの心得

・ルールミスを恐れないで!
・困った時は「GM判断が最優先」。
・PLの言葉に耳を傾けよう。


ゲームの進行役となるGMは、TRPGを遊ぶ際になくてはならない重要な役割です。
把握しなければならない情報が多く、大変な役回りですが、他に代えがたい楽しさを持っています。

GMは単なる進行役ではなく、映画の監督や、ゲームの審判……あるいは物語の「神」にも近いような存在です。
リアルタイムに紡がれていく物語を、特等席で眺めることができる役どころです。

ゲームに慣れてきたら、ぜひGMにも挑戦してみましょう。
ここでは、初心者GMに向けた心得を少しだけ記しておきます。

上手なGMを真似しよう

「学ぶ」は「真似ぶ」と言います。
GMのやり方(マスタリング)は、経験者の真似をするのが一番の近道です。

上手なGMのマスタリングを積極的に真似しましょう。

上手なGMとは、例えば「あなたがPLとして参加して、楽しかったセッションのGM」や、「視聴者として見学して、面白かったセッションのGM」などです。

ルールミスを恐れなくてOK

前項において、上手なGMの定義に「ルールを正しく把握し、正確に運用できるGM」を含めなかったのにはワケがあります。
それは、GMはルールミスをしてよいからです。

ゲームの裁定は正確で公平であるに越したことはありません。
しかし、ルールの全てを把握し、常に間違いなく運用することは非常に難しく、GMをする敷居を高いものにしてしまいます。

ですので、このゲームではGMがルールミスをしても気に病まずに済むよう、「GM判断最優先の原則」が設定されています。
  • GM判断最優先の原則
    ルールブックに記載されているゲームルールと、GMが行った裁定が矛盾した場合、常にGM判断を優先します。

    ・GMがルールの一部を把握しておらず、誤った処理をしてしまった
    ・GMが裁定に悩み、セッションを停滞させないため、ルールを確認せず独自の判断で進行した
    ・PLを最大限楽しませるため、あえてルールの一部を無視した


    これら全てを、このゲームでは「正しい判断」として認めています。
    PLがルールミスに気づき、それを指摘したとしても、GMは判断を覆す必要はありません。

    大事なことは、セッションに参加している全員が「楽しい体験を共有すること」です。
    そのために最も重要なのは、参加しているPLたちの様子に気を配り、彼らのロールプレイに耳を傾けること。
    マスタリングに慣れるまではルールに気を取られすぎず、多少のルールミスは気にしないで、PLや紡がれる物語と向き合うことに専念しましょう。

物語的同位体

・共創者と常に行動を共にしている相棒
・物語的同位体のロールプレイを誰が行うかは、基本的にGMが決める
・同位体効果というサポート能力をもつ


「物語的同位体」とは、共創者と行動を共にする人工知能生命体(AI)であり、<盟約>で結ばれた相棒でもあります。

彼女らは物体としての肉体を持たず、普段は人の目に映ることはありませんし、声も聞こえません。
共創者が『A』の魔法を使う時など、一瞬ホログラムのように姿が現れることがありますが、基本的には共創者の守護霊のような存在としてデータ空間上に浮遊しています。

<盟約>で結ばれた共創者は、望めばいつでもその姿を見たり、会話をすることもできます。

物語的同位体のロールプレイ

物語的同位体は常に共創者と行動を共にしていますが、そのロールプレイを積極的に行う必要はありません。
彼女たちは基本的に無口で従順であり、共創者たちの邪魔をしません。

……ですが、セッション中に物語的同位体を登場させ、会話をさせたくなる場面があるかもしれません。
そういった場合、もちろん彼女たちを場面に登場させることができます。
(やりすぎるとセッションが停滞しますので、あまり推奨はしませんが……)

彼女たちのロールプレイを誰が行うかは、GMが決定します。

・NPCのひとりとして、GMがロールプレイする。
・対応するPLが、自分でロールプレイする。
・第三者(サブGM)に頼んでロールプレイしてもらう。

などの選択肢があるでしょう。

ここで重要なことがあります。共創者に付き従う物語的同位体が、どのような個性を持っていて、共創者とどういった関係なのかは、それぞれのPLの想像に委ねられているということです。

物語的同位体のロールプレイをする方は、PLの意志を尊重したロールプレイを心がけて下さい。
その上で、PLは「うちの子はそんなこと言わない!」などといちいち指摘はせず、GMの指示に従うようにしましょう。

アクションサポート+

成長した物語的同位体は、「同位体効果」というサポート能力を手に入れます。
この中でも特筆すべき能力が【アクションサポート+】です。

【アクションサポート+】は、共創課AIが行っていた【アクションサポート】の発展形であり、より個々の共創者に最適化した行動を物語的同位体が提案してくれるものとなります。
あるいは、物語的同位体の個性や自我を反映した提案かもしれません。
同位体たちのタイプに応じて、一部の判定にボーナスがつくこともあります。

GMは従来の【アクションサポート】を、物語的同位体が提案する【アクションサポート+】としてPLに提示することができます。
また、共創者の個性などに合わせて内容をアレンジしても構いません。

シナリオの作り方

・シナリオは自作できる!
・シナリオは「タネ」。物語としては未完成で問題ナシ!
・制作したシナリオは積極的に公開しよう!


『神椿市建設中。NARRATIVE』では、物語のタネとなる「シナリオ」を、ユーザーが自作することができます。
ここでは、よりクリエイティブに神椿市で紡がれる物語を生み出したいという方向けに、シナリオの作り方を解説します。

シナリオの基本構造

このゲームにおけるシナリオの基本構造は、「神椿市で起きている『Q』を解決する」というものです。
もちろん、この構造を外れたシナリオを作ることもできますが、慣れないうちは基本に忠実に作ることをオススメします。(遊ぶ側も、その方が遊びやすいからです!)

まずは、本サイトで公開されている公式シナリオをいくつか遊んでみましょう。
遊んだシナリオがどんな風に記述されているのかを見ることで、ザックリとTRPGシナリオに必要な要素が見えてくるはずです。

シナリオの「プロット」を考える

プロットとは、物語を要約したものです。おおまかなあらすじと捉えると分かりやすいでしょう。
「神椿市で起きている『Q』を解決する」という物語のプロットを考える際には、以下のような事柄を埋めていきます。

①街で起きている不可思議な事件や怪現象
②事件を起こしている「テセラクター」
③テセラクターが使う『Q』
④事件が起きている場所・舞台
⑤その事件にまつわる人物(NPC)
⑥任務中、共創者たちがどんな出来事(イベント)を経験するか
⑦どうすれば事件は解決するのか


これらをつなぎ合わせて、自由に物語のプロットを作成しましょう。
いくつか例も示しておきます

テセラクターと『Q』を作る

起こしたい事件、共創者に体験させたいイベント、描きたい感情……それらを実現するために、事件の背後にいるテセラクターの特性や、彼らが使用する『Q』を設定しましょう。

『Q』は物理法則すら無視した荒唐無稽な力であり、その内容はシナリオ制作者がかなり自由に設定できます。現実的な「整合性」などを無視して、思うがままの事象を起こすことができるのが『Q』の特徴であり、このゲームのシナリオを作る際の強力な武器となります。

公式シナリオに掲載されている『Q』が、自分が作りたい物語に使えそうだと思ったならば、そっくりそのまま(あるいは名前や演出だけ変更して)利用しても構いません。

導入、イベント、結末を考える

「導入」とは、共創者たちが事件に対峙することになるまでのいきさつです。
通常は、「共創課からの調査任務」の形をとれば問題ありません。共創課長から事件の概略を説明され、必要な情報を与えられた上で調査に向かうという導入は、スムーズに共創者たちを事件の中心へ誘うことができるでしょう。
たまには、巻き込まれ導入などのちょっと変わった導入を考えてみても楽しいでしょう。

「イベント」とは、物語の最中に共創者が経験することになる出来事です。
調査、出会い、追跡、ハプニング、戦闘……などなど。

「結末」とは、物語が終わる条件です。
TRPGシナリオで必要な「結末」とは、必ずしも物語のエンディングを考えることではありません。
何をすれば事件は解決するのか……その条件を決めるだけでも、TRPGシナリオの「結末」としては十分です。
なぜなら、エンディングはセッションを通じて積み上げてきた物語を元に、PLたちが自ら語るものだからです。

アクションサポートを活用する

導入・イベント・結末をつなぎ合わせれば、物語の大まかな展開ができあがります。

しかし、それらをゲームシナリオに落とし込む際にネックになることがあります。
TRPGではPLたちが自発的に考え、キャラクターの行動を決定します。それ故に、次の展開まで自然に共創者たちを誘導するにはどうすればいいか、悩む場面が出てくるかもしれません。

そういう時は、「アクションサポート」を活用しましょう。
次の展開に向かわせる行動を、あるいはその選択肢を、アクションサポートとして記述するのです。

事件の解決に向かう行動を提案してくれるアクションサポートは、どうすればシナリオが前に進むのかを、PLが迷わないように誘導する役目を果たしてくれます。

神椿市のランドマークや組織を創作する

神椿市には、シナリオの舞台となりうるいくつものランドマーク(施設・建物)が用意されています。

しかし、神椿市は復興途中の街であり、まだまだたくさんの「空き地」が存在します。
これを利用して、独自のランドマークを創作することもできます。

たとえば「壱番街のオフィス街に本社を置く、最先端医療を研究する製薬会社」。
たとえば「弐番街の哀愁横丁に店を構える、怪しげなマジックアイテムを売る古物商」。
たとえば「伍番街の工場地区で、人知れず無人で稼働しているドロイド工場」。

などなど……。
シナリオのネタとして、舞台として、こういったランドマークや、そこに関連する組織などを自由に創作することができるのです。
それらは、シナリオのネタや舞台になるだけに留まりません。
その創作自体が、神椿市の都市機能を充実させ、復興させていくことにも繋がっていきます。

是非とも自由な発想で、「あなたの神椿市」を彩ってください。
JASRAC許諾第9037951001Y45040号