注意事項

ここに記載されている情報の中には、市民の不安を助長し恐慌を誘発しかねない危険なものも含まれている。
また、新任の共創者には知らされていない真実も記されている。
情報の取り扱いには細心の注意を払うよう注意されたし。

行政特務組織『神椿市共創課』

神椿市の維持・復興を担う行政特務組織。その権限は広く、街の治安維持活動に関しては警察よりも上位の権限を持つ。一般職員のみならず特別協力者制度(=共創者)を採用している。
街の治安を脅かす事件や、『Q』と呼ばれる異常現象に対応するのは共創課の役目。市民は共創者の活動に可能な限り協力するよう市から要請されている(一部反発的な市民もいるらしい)。ただし、市民は共創者が異能力者であることなどは知らされていない。
共創者用の制服が用意されているが、着用の義務があるわけではなく、私服での活動も許されている。活動時は身分証明書の携行を推奨している。

共創課長

神椿市共創課の長。共創者たちの直属の上司にあたる。
共創課のオフィスにはおらず、いつも「NARRATIVE CC」越しの通信でのみ連絡を取ってくる。音声通信の声から男性であると推測されるが、その姿を見たものは誰もいないという噂。
話す相手によってかなり性格が変わる。相手にとっての理想の上司像を分析し、演じているフシがある。全体最適を追求する性質があり、一部の課員からは「究極の八方美人」と揶揄されているとか。

実は人間ではない。その正体は生体コンピューター……つまり人工知能である。
共創課が運用し、【アクションサポート】の演算を行っていた高性能戦略AIとは彼のこと。

共創者

<盟約>という特殊な儀式により『A』という異能力に目覚めた、元・神椿市の一般的な住人。
神椿市共創課からのスカウトを受け、街の維持と復興のために働くエージェントとしての契約を結ぶ。
共創者可組(かぐみ)
共創者のうち、<盟約>を「物語的同位体・可不」と結んだものに割り振られる属性。

共創者裏組(うらぐみ)
共創者のうち、<盟約>を「物語的同位体・裏命」と結んだものに割り振られる属性。

共創者羽組(はねぐみ)
共創者のうち、<盟約>を「物語的同位体・羽累」と結んだものに割り振られる属性。

共創者星組(ほしぐみ)
共創者のうち、<盟約>を「物語的同位体・星界」と結んだものに割り振られる属性。

共創者狐組(きつねぐみ)
共創者のうち、<盟約>を「物語的同位体・狐子」と結んだものに割り振られる属性。

テセラクター

周囲の物理法則を歪め、『Q』という怪異を発生させて人に危害を加える正体不明の怪物。
存在を喰らうケモノ。
物理的な実態を持たない、影のような存在。市民の誰かがテセラクターを目撃しても「何かの影が地面を横切った」くらいにしか思われないことが多い。その形態は個体により様々だが、基本的には何らかの動物や植物などを模したような姿をしている。知性はほとんど感じられず、何かしらの習性にしたがって本能的に動いているように思われる。
人の負の感情が渦巻く場所に集まる傾向があることから、人の感情を餌にしているのではないかと分析するものもいるが、真偽は今のところ不明。
テセラクターの存在を知る者は、一般市民にはほとんどいない。存在を認知しているのは共創課のエージェントたちくらいである。市民の混乱を避けるため、共創課はテセラクターの存在を一般市民に知らせないようにしている。

人間の負の感情により生まれると言われている。その体は負のフラグメントで構成されている。
人を喰い殺し、その記憶や〘存在〙を取り込む性質を持っている。

『Q』

神椿市で多発している怪異的事件。テセラクターが起こす怪現象や、異能力の総称。
その内容は実に多種多様。直接的に人に危害を及ぼすものから、精神を犯し人を狂わせるもの、無機物を操るもの、あるいはもっと荒唐無稽な……たとえば空間内の物理法則を書き換えるようなものまで存在する。

テセラクターの存在を知らない大多数の市民にとっては、それらの発生原因についてはわからない。
『Q』という怪現象については、様々な都市伝説として流布している。『Q』について考察するアンダーグラウンドのネットコミュニティなどもあるらしい。

一部のテセラクターは『Q2』と呼ばれる、より強力な『Q』を使ってくることがある。
更には、より広範囲に甚大な被害を及ぼす……街そのものを飲み込んでしまうほどの力をもつ『Q3』の存在も噂されている。

負のフラグメントの密度が高まることにより、物理法則が歪んで発生する。
強力な『Q』の発動には、大量の負のフラグメントを消費する。

不可解空間

『Q』のうち、最も代表的なもの。
テセラクターの周囲の一定範囲の空間を「異界」へと変貌させ、人を閉じ込める。その空間内では物理法則を無視した独自のルールが支配している。そのルールも脱出方法も、不可解空間を生んだテセラクターごとに様々だ。

『A』

共創者が使うことができる、テセラクターの『Q』に対抗できる唯一の力。

<盟約>という儀式により行使可能になる異能力。「魔女の娘」が持つ歌の力と紐づいている。

原初の歌

共創者が「出会いの物語」で聞いた歌。
その歌の力により<盟約>が結ばれた。

盟約

「魔女の娘」やその同位存在が、心を許した相手に“歌の力”で異能を授ける儀式のこと。
<盟約>により『A』と呼ばれる異能を得たものは、神椿市を襲うテセラクターの脅威『Q』から街を護る宿命を課される。

魔女の娘

特別な“歌の力”を持つ5人の少女たち。
神椿市における最重要人物たちであり、彼女らの安全を確保するため、その個人情報は固く秘されている。
常に、神椿市共創課長直属エージェント(正規職員)により警護されており、たとえ彼女らと<盟約>を結んだ共創者であっても、面会することは叶わない。
森先 化歩
「魔女の娘」の一人。零番街に住んでいるらしいという以外の情報は不明。
物語的同位体・可不のオリジナル。

谷置 狸眼
「魔女の娘」の一人。壱番街に住んでいるらしいという以外の情報は不明。
物語的同位体・裏命のオリジナル。

朝主 派流
「魔女の娘」の一人。弐番街に住んでいるらしいという以外の情報は不明。
物語的同位体・羽累のオリジナル。

夜河 世界
「魔女の娘」の一人。参番街に住んでいるらしいという以外の情報は不明。
物語的同位体・星界のオリジナル。

輪廻 此処
「魔女の娘」の一人。肆番街に住んでいるらしいという以外の情報は不明。
物語的同位体・狐子のオリジナル。

仮想通貨 fG

神椿市で利用されている電子仮想通貨。読み方は「エフジー」。fragment Goldの略とのこと。
普及率はかなり高く、市内のほとんどのお店でfG決済が可能。共創課からの報酬もこのfGで支給される。
紙幣や硬貨での取引も根強く残ってはいるが、不便なため廃れつつある。ただし、足がつくと困るアンダーグラウンドな場の取引では、もっぱらリアルマネーでのやり取りがなされている様子。

「フラグメント研究所」が市からの嘱託で開発し、神椿市共創課が運用している。

これは、ただの電子通貨ではない。

fGは通貨という形で、人と人との間でやりとりを可能にしたフラグメントそのものである。
fGを介したお金のやりとりは、そのお金を使った人の想いや、人の手を渡り歩いた記憶などが情報として蓄積していく。
そしてフラグメントは「想いの力」。つまり、fGは使うことで総量が増えるのだ。
fGでお金を払うことは、単なる経済活動以上の意味を持つ。

共創課は余剰のfGをフラグメントに戻す技術を持っており、街の復興に必要な大量のフラグメントは主にこの方法で集められている。

復興

過去に起きた大災害により壊滅状態にあった神椿市を復興すること。元々、「神椿市復興課」がその任を担っていたが、現在は「神椿市共創課」が復興業務を引き継いでいる。
復興課は強烈なカリスマを誇る課長によるワンマン業務だったが、共創課は多くの人の力を借りて「みんなで」復興を成し遂げようとしている。成果は順調に上がっており、今では零番街から伍番街までの都市機能が徐々に回復しつつある。

復興は、主に以下の3つの方法で行われる。
①要復興施設へのfGの募金
②家屋への入居や、店舗の出店、学校への入学などによる住民活動
③ライフ・ナラティブの「創造」による創作物の投稿

存在

神椿市の住人が持つパラメータのひとつ。自分がどんな存在なのか、なにを拠り所にしているのか……などなど、「あなたがあなたであること」を表すもの。『Q』の影響で存在が揺らぐ(=数値が減る)ことがある。

存在解放

世界救済教団イデア派による共創課制圧後、唐突に共創者たちが使えるようになっていた異能力。
己の秘められた力を解き放つことで、桁外れに強大な力『A2』を行使できるようになる。
ただしその代償は重く、使用するたびに〘存在〙を消耗し、重大な欠損を受ける可能性がある。

存在解放中、共創者の体はフラグメントの凝縮体となっており、受けた物理的なダメージはそのまま〘存在〙を削ることとなる。

VR

共創課オフィスにはVRによる訓練を行う施設がある。この施設では、テセラクター発生時のシミュレートや戦略分析などもされており、その分析結果が「アクションサポート」に活かされている。

魔法

大多数の人々は、魔法の存在を信じていない。
だがこの世界には確かに魔法が存在する。現在存在が明らかになっている魔法は、共創者が使える『A』と、「魔女の娘」の行使する“歌の力”が該当する。

フラグメントを操作し、物理法則に干渉する技術の総称。
上記の原則に従うならば、『Q』もまたテセラクターが使用する魔法とも言えるだろう。

復興課

数年前まで神椿市の復興を担っていた組織。ある出来事をきっかけに機能を停止した。秘密主義だったらしく、謎が多い。機能を停止した経緯についても情報が公開されていない。
復興に関わっていた職員が極端に少なく、課長のワンマンであったことが知られている。「魔女の娘」たちは、復興の要として彼らが神椿市に招聘したらしい。
「観測者」と呼ばれる外部人員に復興支援を要請していたという記録が残っている。

今もなお、復興課長が消息不明。

観測者

復興課がかつて神椿市の復興のために協力を仰いだという外部人員のこと。

「神椿市建設中。NARRATIVE」のゲーム世界外の存在。現実世界の「あなたたち」のこと。
神椿市中央市廳舎観測塔が、観測者と神椿市を繋ぐ次元結節点の役割を果たしている。
神椿市で起きている出来事=セッションを観測(観客として視聴)し、「いいね!」や応援したい気持ちを、【CLAP】という形で届けることができる。
贈られた【CLAP】を消費することで使用できる特殊な『A』が存在する。

NARRATIVE CC

共創者たちの任務をサポートするアプリケーション。共創課から支給されるスマートフォンやPCに実装されている。
共創課からの連絡ツールや、共創者どうしのホットライン、市内施設の情報一覧、アクションサポートという任務支援システム、fG口座や決済機能などが含まれている。

アクションサポート

共創課のVRシミュレーションと連動した高性能戦略AIが、共創者たちが置かれた状況を分析し、次にとるべき行動を提案することで任務支援を行ってくれるシステム。「NARRATIVE CC」内に実装されている機能のひとつ。
かなり精度は高いようだが、あくまでもAIによる分析結果であり、必ずしも提示された行動がよい結果を生むとは限らない。過信しすぎないように。

フラグメント

人の「想いの力」により生まれる新世代型エネルギー。神椿市の復興に必要不可欠なものであり、魔法の力の源でもある。
平常時は実体を持たないが、エネルギー量が極めて濃くなると、物質化したり周辺に物理的な影響を及ぼすこともある。

憎悪・恐怖・疑念・絶望……そういった負の「想いの力」はテセラクターの養分となり、『Q』の力の源となるといわれている。

世界救済教団

『はじまりの魔女』が世界を創ったという世界観を信じる新興宗教。本拠地は神椿市参番街に建つ世界教会。
奇跡や魔法の実在、魂の流転、終末思想……そして魔女を神聖視する、やや怪しげでオカルティックな宗教ではあるものの、その主な教義は「善たれ」というものであり、信徒はおおむね善良で心優しい市民たちのようだ。孤児院運営や慈善事業活動を行っている。

その内部に、テロリストじみた過激派組織がある。
それが、「預言者シラクサ」が率いる「イデア派」である。彼らは『はじまりの魔女』ではなく、使徒イデアを信仰対象としている。
非合法的な手段により悪の粛清活動を行っており、その最終目標は「善なるイデアの顕現による世界の破壊と再構成」だという。

先日、共創者たちにより鎮圧された。

預言者シラクサ

世界救済教団イデア派を指揮している指導者。壮年の神父。
共創課制圧の首謀者。
使徒イデアから預言を受けたと言われている。

元共創者である。
かつては清廉潔白で善良な信徒であり、同時に優秀な共創者でもあったシラクサは、神椿市共創課が隠匿していた真実を知り、絶望。
共創課長と対立した末に離反したと言われている。

現在、消息不明。

イデア

世界救済教団が信仰する創造神『はじまりの魔女』に付き従ったとされる、四使徒のひとりの名前。
「世界が邪悪なる混沌に満ちた時、善なるイデアにより世界は再創生される」という伝承がある。

物語的同位体

5人の「魔女の娘」のデータを元に、共創課によって創られた人工知能生命体。オリジナルより力は数段劣るが、<盟約>の歌の力を行使することができる。
人工知能であるため、フラグメントさえあれば無限に複製が可能。
まだその〘存在〙は確立しきっておらず、自我は薄い。行動を共にし、フラグメントを介して彼女らに〘存在〙を与えていくことで、同タイプの同位体でも様々な人格に育っていく可能性がある。
物語的同位体・可不(KAFU)
森先化歩のデータを元に生み出された「物語的同位体」。
無数に複製体が存在する。可組の共創者たちの<盟約>相手。

物語的同位体・裏命(RIME)
谷置狸眼のデータを元に生み出された「物語的同位体」。
無数に複製体が存在する。裏組の共創者たちの<盟約>相手。

物語的同位体・羽累(HARU)
朝主派流のデータを元に生み出された「物語的同位体」。
無数に複製体が存在する。羽組の共創者たちの<盟約>相手。

物語的同位体・星界(SEKAI)
夜河世界のデータを元に生み出された「物語的同位体」。
無数に複製体が存在する。星組の共創者たちの<盟約>相手。

物語的同位体・狐子(COKO)
輪廻此処のデータを元に生み出された「物語的同位体」。
無数に複製体が存在する。狐組の共創者たちの<盟約>相手。

テセラクター・いであ

災厄級にして“独創”のテセラクター。
大量のフラグメントを喰い、神椿市上空に顕現した。
巨大な鳥のような形態と、人間の少女のような形態が観測されており、少女形態の姿は使徒イデアと瓜二つだという。

共創によって生まれる混沌を否定し、神椿市をいであの理想とする世界に再構成するために『Q3』により攻撃を開始するも、多くの共創者と物語的同位体のバックアップを得た「魔女の娘」たちによって撃退され、姿を消した。
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